サバのトランク

本やコンピュータや病気のことなど *当ブログではアフィリエイト広告を利用しています*

素数ゼミ 今年はダブル羽化で大発生!

セミの画像

⬆️(この写真はアメリカの素数ゼミではありません)

今年(2024年)の2月くらいから、時々ニュースになるので目にした方もいらっしゃるかもしれません。
2024年夏、アメリカでは 13年ゼミ17年ゼミの、かなり大きいグループが同時に羽化(成虫になること)する年に当たり、1兆匹が羽化するということで大きな話題となりそうです。

アメリカに分布する 13年ゼミと17年ゼミは、その名の通り13年ごと、17年ごとに地上に表れて羽化し大発生します。

13年と17年に大発生することから、これらのセミは「素数ゼミ」とも呼ばれています。
生息地域や羽化年によっていくつかのグループ(ブルード "Brood" と呼ばれている)に分けられていて、今年はそのブルードの中でも規模の大きい13年ゼミのブルード19、17年ゼミのブルード13の「ダブル羽化」の年に当たるので、1兆匹というものすごい数となるそうです。

また、人口の少ない田舎で羽化するのではなく、イリノイ州(最大の都市はシカゴ)という都市部で両方の種類の羽化場所が一部重なったりするので、多くの人の目に触れ、話題となりそうです。

素数ごとに大量発生するのであれば、発生周期の異なる他のセミと同じ年に発生することはめったにありません。その結果、異種のセミとの交雑や、競合を避けることができ、また天敵である寄生虫の発生周期とも重なりにくかったので、この素数ゼミが生き残ってきたと考えられています。

素数どおしであれば、最小公倍数はそれぞれを掛け算したものとなり、とても大きな数字になります。

この13年ゼミ17年ゼミの場合であれば、13年 x 17年 = 221年 つまり 221年に一度しか同時発生は起こらないことになります。もしこれが12年と18年だったとしたら、36年ごとに同時発生してしまいます。


前回この大発生があったのは 221年前の 1803年です。
1803年と言えば、アメリカがパリ条約でイギリスから独立(1783年)してから20年、ジョージ・ワシントンの初代大統領就任(1789年)から14年しかたっていない頃です。😮
そして、次回は 2245年です。

生涯のうちにこの大発生を経験しない人の方が多いわけで、シカゴの人々は大変かもしれませんが、2024年に生きる我々は、このニュースに触れられてある意味ラッキーなのかもしれません。
私は、MLBメジャーリーグベースボール)を見ていますが、今永投手、鈴木選手のいるシカゴカブスの試合の時にも話題が出てきそうですね。😄


私は、このセミの話を初めて知った子供のときに、「すごい!生物の生態に素数が関係しているなんて信じられない! セミ素数を知っているのか!?」と、とても感動した記憶がありました。

(2024/6/17追記:私の記憶違いでした。13年ゼミ、17年ゼミは当然昔から知られていて「周期ゼミ」とよばれていたわけですが、その素数の謎は、静岡大学ニューヨーク州立大学の吉村仁教授によって1997年に解明されたということです。ですので私は子供のころにアメリカの13年・17年ゼミのニュースを見たことはあり、素数によって生き延びてきたという話を知ったのは大人になってからですね。13年・17年ゼミの話と素数の話の記憶が混同していました)


・・・当然、セミ素数を知っているわけではなく、もともとは12年~18年という羽化周期を持つセミが存在していたのが、素数年以外に羽化するセミは、上にも書いたように羽化の競合が起こりやすく絶滅してしまったというのが、生物学的な正しい答えだと思います。

生物学も面白いし、数学も面白いですね。😀

 

過去の素数に関する記事です。一部内容が重なりますが「素数ゼミ」の話題もあります。⬇️

savatrunk.com

 

ネット上の参考記事です。⬇️

toyokeizai.net