いつも楽しく読ませていただいている、秋葉原とジャンク大好き「なかやん」氏のブログの 2024年3月はじめ頃の記事で、EPSONのメンブレンキーボード "KB-0626" が紹介されていました。
その記事の中で、なかやん氏はこのキーボードを大絶賛!😀
PS/2接続ながら、秋葉原で500円で購入という事で、安くて使い心地の良いキーボードを求めてさまよっている私としては、とても気になっていました。
(PS/2 → USBの変換ケーブルは持っていたので、この点は問題無し)
"KB-0626" 落札
秋葉原にも行こうと思えば行けるのですが、まずはオークションのサイトを探してみると・・・ ありました。
複数見つかったのですが、まあまあきれいそうなものが 1,500円で見つかりました。
なかやん氏の情報では恐らく新品で500円という事でしたが、私の家からだと秋葉原まで往復すると、1,500円以上交通費がかかってしまいます。
と、いうわけで中古ではありますが、オークションにて1,500円で落札しました。
"KB-0626" 到着
さて、数日たって現物が到着。見た目は全く傷や汚れもありません。⬇️
テンキー付きですが、矢印キーを寄せてあるので、普通のテンキーレスの 80%キーボードとほぼ同じサイズで、これも良いですね。⬇️
キーボードの打鍵感は、たしかに「なかやん」氏が言われるように、メンブレン特有のぶよぶよ感はあまりなく(メンブレン感はある程度はあるな、と私は思いましたが)、
ストロークも私好みの深めで、かなり良い感じです。
私としては、打鍵感よりも一番良かったのは「静か」ということです。
メンブレンでも、カチャカチャとかなり音のするものもありますし、キーを底までたたくことになるので、ドスドスとうるさいものもあります。また、キーボードの作りが「ちゃち」で、キートップ同士が触れ合う音がうるさかったりと、安いキーボードではいまいちなものも多いのですが、このキーボードは本当に「静か」です。
故障発見
と、いうわけで、めでたしめでたしと思いつつ、PCに接続してみると・・・、
なんと、4箇所キーが反応しない!!
PS/2 → USB変換をしているので、多少無理はあるのですが、接続がダメなら全滅するはずで、特定のキーだけが反応しないという事は、接触不良が考えられます。🤔
修理決行
キーボードそのものは使いやすそうですし、安く買ったこともあり,ダメもとでバラして修理してみることにしました。
表面はきれいでしたが、どうせバラすのでキートップも外して掃除することにしました。
キートップを外す
キートップを外していきます。下の写真は途中経過です。あと少しですべて外し終わりですね。大きいキーは外すのがなかなか大変です。⬇️
(メンブレン式だとキートップを外せないものもあるそうです。また、あとでわかったのですが、キートップを外さなくても、裏面のねじを外せば本体を開けることはできました)
キートップは、左上の赤い四角で囲んだ専用工具を使って外します(キートップは100個以上もあるので、すべて外すと指がかなり痛くなりました。この工具は他のメカニカルキーボードに付属していたものです。Amazonあたりでも数百円で売ってます)。⬇️
外したキートップは、アルコールを含んだウェットティッシュで汚れを落としました。
本体ばらし & ラバーカップ膜
本体裏側のネジを外すと、キートップをはめ込んでいた上の部分が外れます。
そうすると、キートップの下の「ラバーカップ」のシリコン膜が見えてきます。⬇️
拡大してみます。キートップを押すと、これが押されるわけですね。⬇️
キートップとラバーカップはこんな関係です。(黄色がキートップ、赤がラバーカップ)(サンワサプライ SKB-KG3WN2のパッケージ写真より)⬇️
3層のメンブレンシート
「ラバーカップ」の膜を外すと、配線が印刷された透明なシートが見えてきます。⬇️
⬆️ 1枚のように見えますが、実はこれは3枚の薄いプラスチックのシートが重なっています
(これがメンブレンスイッチで、メンブレンキーボードの肝ですね)
3枚のメンブレンスイッチは、上と下のシートに向かい合うように配線が印刷されていて、間に穴の空いたスペーサーのシートがあります。
キートップを押すと、ラバーカップが押されて上のシートも押し下げられます。
上下シートの間にあるスペーサーには接点のある部分だけに穴が空いているので、上下の接点が接触すると「スイッチON」となり、文字が入力されるというわけです。⬇️
スペーサーは、上から見るとこんなイメージです。⬇️
実際は、こんな感じです。
上のシートをめくってみました。青色で囲ったところが接点です。⬇️
接点部分を拡大してみます。⬇️
左と右の青い四角の中の接点どうしが接触するとスイッチが入ります。
左側の青い四角のなかに透明な丸が見えます。これがスペーサーの穴です。
故障原因発見 & 清掃修理
拡大する前の写真の下の方に、赤〇で囲んだ部分には、黒っぽい汚れか錆のようなものが見えます。⬇️
実際に反応しないキーもこのあたりにあるキーなので、おそらくこの汚れか錆が原因かと思われます。
ウェットティッシュではアルコール分が多すぎる感じだったので、ここにはアルコール分少なめの「めがねクリーナー」を使って、回路を断線させないように気をつけながら、この汚れらしきものをこすり落とします(完全には落ちませんでしたが)。
反応しないキーのあたりを中心に、上下のシートの配線の部分や、スペーサーの上下もよく拭き、アルコールが蒸発するまで数分待ってから、元の状態に戻しました。
実際に見るとわかるのですが、スペーサーは本当に薄い膜で、上下の接点の間にはわずかな隙間しかないことがわかります。
ここに小さなゴミがひとつでも入ってしまったら、そのせいで上下の膜の間により大きな隙間ができてしまい、接点は接触できなくなるだろうなと思いました。
修理完了
1回目の清掃でうまくいったかと思いきや、今度は他の場所で反応しないキーが出てきました。
2回目に挑戦し、新たな場所もきれいにしてから通電すると、見事すべてのキーが反応して、修理は成功しました! 🎉😀
まとめ
今も、この修理した EPSON "KB-0626" キーボードを使って書いています。静かでなかなか良い感じです。
メカニカル方式も打鍵感は良いのですが、どうしてもカチャカチャとうるさいのが気になってしまいます。
家で使うのなら、やはりメンブレン方式が良いのかなと最近は思っています。
この "KB-0626" は PS/2接続ですし、もう売っていないようです。
USB接続の "KU-0626" という機種がエプソンダイレクトショップで 2,112円+送料715円 で売られています。色も白と黒が選べます。
この修理した古いキーボードをもう少し使い込んでみて、本当に気に入ったら、こちらのUSB接続の新品を買うかもしれません 😁
*この記事は、壊れてもかまわないと思って、素人が勝手にやった結果なので、この方法が適切かどうかはまったく不明です。