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読書 「本当のことを言ってはいけない」 池田清彦 著

池田清彦著 「本当のことを言ってはいけない 角川新書

フジテレビ系ホンマでっか!?TVにも出ているので、知っている人も多いかもしれない、池田清彦氏の多数ある著書の一冊。エッセイ集という感じの本ですね。
(私はこの番組を知らなかったので、この本を読んでからテレビを見てみました。前列のさんまさんに一番近いところに座っている年輩の人が池田清彦氏)

この本は 2020年の発行で、2018年7月~2019年9月までのメルマガ「池田清彦のやせ我慢日記」を再構成のうえ、加筆・編集したもの。コロナ前の話になるので古さが目に付く話題も若干あります。

私がこの本を選んだのは Kindle Unlimited に入っているので、無料で( Unlimited の 980円/月は当然かかってますが)読めたからというのもありますが、新しければ良いというものでもなく、著者の池田氏の考え方はよくわかる内容です。
Kindle Unlimited については、また別の記事で書く予定です)


目次を示すと、

1 生と死の意味について
「物事にすべて意味がある」は妄想だ
老化に進化論的な意味はない
老人になって生き続けるのも大変だ
記憶と死の恐怖
ヒトは酒だけの食事でも生きていける!?

2 AIと私たち
AIの未来
AIは人間を超えるか
AIは格差を固定する?
AIがもたらす不労社会
遺伝子とAI

3 市場原理と成果主義
教育に市場原理を持ち込む愚行
何事もほどほどに
国民の知的レベルの二極化
効率第一主義は国を亡ぼす
無駄働きの強制が日本を滅ぼす

4 動植物散策
多摩動物公園に行ってみた(1)
多摩動物公園に行ってみた(2)
ネキを採りに沖縄に行く
生物の進化パターンは予測可能か
外来種は悪者なのか

5 短絡的正義がもたらすもの
遅きに失した国際捕鯨委員会脱退
未来展望なき虚勢による日本の衰退
優しくていい人ばかりの国は亡びる
老人を無理やり働かせるのはやめよう
加藤典洋『戦後入門』を読む


目次を見ただけでわかると思いますが、池田氏「歯に衣着せぬ」と言えば聞こえは良いですが、言いたい放題なところがあります。
またマスコミにも多く出ているので、うさんくさいと思っている人もいるかもしれませんが、国立の山梨大学早稲田大学の教授をしていた人で、現在は両大学の名誉教授ですから、ちゃんとした学者さんです。笑

専門は、前回紹介した東北大学の千葉聡氏と同じ進化生物学で、千葉氏が王道の主流派なら池田氏は完全に非主流派ですね。だからなおさら批判されたりした事もあるようです。

この本は色々なことを好き放題に書いていますが、私は池田氏の発想とか考え方にかなり近いものを感じます(ただ健康診断には行った方が良いとは思いますが・・笑。池田氏はずっと行っていないそうです)。
また、進化生物学に関しても近い考えだなと思う点が多々あります。
池田氏の進化生物学の本についてはまた別の記事に書きます)


共感する部分を本文から、少し引用します

1 生と死の意味について
「人間以外の生物は、何のために生きているかといった妄想とは無縁で、別に理由もなく生れ、子孫を残し(残さない奴もいるけど)、時が来れば死んでいく。」
「私はなぜ、存在するものに意味がなければならないのか、それがそもそも分からない。存在するものは存在するだけで別にいいじゃねえか。」
「生命が誕生した究極原因などはないわけで、別に生命が誕生しなくてもかまわなかったわけだ。」

4 動植物散策
「私はどうもイルカショーを見た後は何となく物寂しくなるので、あまり見たくない
・・・(中略)・・・ 本当は大海原で自由に泳ぎたいと思っているのかな、と想像して切ない気持ちになる。イルカがどう思っているのかは知らない」

5 短絡的正義がもたらすもの
「国力とは、最終的には科学技術力を含めた国民の知的リテラシーの総体のことだ。そのために重要なのは教育への投資である。」


おじいちゃん先生言いたい放題で、好き嫌いは分かれるとは思いますが、痛快ではあります。
この記事を見て気になった方は読んでみてはいかが。