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「笑わない数学」第2シリーズですが、
NHKの番組紹介ページにある「数学ノート」というブログを見つけたので、内容をまとめたような記事はもう書く必要はないかなと思っています。
(このブログ「数学ノート」は、番組のスタッフが書いていて良くまとまっています。見逃した方にもおすすめします。第1シリーズも含めて、過去回の分もあります)
なので、私は感想やら気がついた話などがあれば書く事にしようと思います。
で、2週前にに放送は終わってしまったんですが、
#1「非ユークリッド幾何学」です。
番組内容のまとめはしないと書いたけれど、少しだけ内容も説明しつつ、関連したことを書きます。
まずは、「ユークリッド幾何学」
これは紀元前の哲学者、ユークリッドが著した「原論」に由来する幾何学の体系ですね。
その中の5つの公理
(原論など古典的には公準として区別していたようですが)
公理1:2つの点を通る直線は1本しか引けない
公理2:直線はいくらでも伸ばすことができる
公理3:点を中心にして任意の半径の円を描くことができる
公理4:直角は全て等しい
公理5:直線と点がある時、点を通って直線に平行な直線は1本しか引けない
「公理」とは、
「その他の命題を導き出すための前提として導入される最も基本的な仮定のこと」
番組でパンサー尾形さんは
「めっちゃ簡単な、超あたりまえの事柄」と言っています。
このなかで、公理5 については、他の公理に比べて
「めっちゃ簡単な、超あたりまえの事柄」と言えるのか?
と、長い間疑問視する意見があったようです。
19世紀になり、公理5 について
「直線と点がある時、点を通って直線に平行な直線は 1本しか引けない」
ではなく、
「直線と点がある時、点を通って直線に平行な直線は 2本以上引ける」
とか、
「直線と点がある時、点を通って直線に平行な直線は 1本も引けない」
としても、矛盾の無い幾何学体系が作れるということがわかってきたんですね。
そこで、これはそれまでの「ユークリッド幾何学」とは違う幾何学だから
「非ユークリッド幾何学」と呼ばれているというわけです。
この「平行な直線は、1本も引けない」体系を作ったのがリーマンで
(サラリーマンではない 笑)
「リーマン幾何学」と呼ばれます。
これをアインシュタインが「一般相対性理論」に利用します。
アインシュタインは、自分の理論を説明するためには普通の幾何学では無理がある、と考えていた時にリーマン幾何学の存在を聞き、勉強して自分の理論に取り入れたと言われています。
「一般相対性理論」によると、質量の存在により周辺の時空間が曲がる(ひずむ)ということになります。そうなると、光も直進しないということになってしまいます。(だから平行線は引けない)
深入りすると、果てしない沼が待っているのでこれ以上はやめますが、19世紀の終わり頃に、この「非ユークリッド幾何学」などの登場により、それまでの数学の根本が揺らいできたということです。
それで、前回記事にした「笑わない数学 第2シリーズ #3 1 + 1 = 2 」の中に出てくる「ヒルベルト・プログラム」に繋がっていくんですね。
ちなみに、人生ベテランの方々、数学以外でも世界史とかで「ユークリッド」と習ったと思いますが、最近はギリシャ語読みの「エウクレイデス」と呼ばれています。
高校生の子供さんとかに聞いてみると「ユークリッド」を知らないかも。
(数学の世界では、「ユークリッド」と呼ばれているようですが・・・。それとも最近は数学界でも「エウクレイデス」?)
NHKの番組紹介ブログ「数学ノート」の最後には
(一番下までスクロールしていってください)、以下の動画もあります。
●「パンサー尾形、「非ユークリッド幾何学」に挑む!
事前の勉強会から番組収録までの舞台裏を紹介!」
めっちゃおもろいですよ。
*この記事のイラストは、Bing Image Creator の AI によって作成されました