前の記事で、無料または低価格で使える "WPS Office" について説明し、無料版のインストールまでを記事にしました。
この記事では、"WPS Office" と "Microsoft Office"(以下 "MS Office") との互換性について、個人的に検証可能な範囲ではありますがデータを提供したいと思います。
(Word と Excel について検証。PowerPoint は個人的にほぼ使わないので未確認)
- 使用した WPS Office について
- "Microsoft Office" と "WPS Office" との互換性
- WPS Office の互換性のレベル
- "WPS Office" は誰が使う?
- "WPS Office" のバージョンと入手先
- ここまでのまとめ
使用した WPS Office について
"WPS Office" ( "2" が付かない。"Kingsoft Office Software Corporation Limited" 提供版)という、多国語に対応した「グローバル版」を私の個人PCにインストールしてチェックしました。(OSはWindows11)
このグローバル版の "WPS Office" は「無料」 のソフトです
(この他に、日本の「キングソフト株式会社」が販売する "WPS Office 2" という有料版もあります)
含まれるソフトウェアは、
WPS Writer:ワープロソフト(Word互換)
WPS Spreadsheets:表計算ソフト(Excel互換)
WPS Presentation:プレゼンテーションソフト(PowerPoint互換)
WPS PDF:PDF閲覧
と、なっています。
"Microsoft Office" と "WPS Office" との互換性
私のPCにインストールされている "MS Office" は、最新のサブスク版 Microsoft 365 ではありません。メニューなど細かいところが最新のものとは違うかもしれませんが、そのつもりで見てください。
★MS Office "Word" と "WPS Writer"
サンプルは私がオリジナルで作った、高等学校の化学実験用のプリントです。
できるだけ大きなグラフを入れ、1枚にまとめる必要があったので、余白や文字の大きさなども調整してギリギリに収めています。
☆Word
☆WPS Writer
大きなグラフも問題無く表示され、レイアウトの崩れもありません。
★MS Office "Excel" と "WPS Spreadsheets"
⬆️ の実験結果を、エクセルを使って処理するために作ったシートです。
回帰分析(最小二乗法)を使ってエクセルにグラフを書かせています。
グラフのオプションで数式を表示させて、切片と傾きの数値を得ています。
☆WPS Spreadsheets
グラフの表示、数式、切片と傾きの数値すべてにおいて、違いはありません。
レイアウトの崩れもありません。
★再び MS Office "Word" と "WPS Writer"
こちらも高等学校の化学実験のプリントです。
Wordの文書で、数式(数式エディタで作成)、図(PING)、表などがたくさん入っています。
左下にある表中の数字の大きさなども、表の中にコンパクトに入るようにかなり細かく指定しています。
☆Word
☆WPS Writer
こちらも、数式、表などほとんど見分けがつかず、レイアウトの崩れもありません。
WPS Office の互換性のレベル
少なくとも私が使っている程度の文章やグラフ、数式程度なら全く互換性に問題はなさそうです。
ただ、高度なマクロや関数を使うと、完全な互換性は無いことは "WPS Office" も認めていて、例えば Excelの関数の対応率は70%程度ということです。
あまり使わない機能は搭載しないことによって、互換性は100%では無くなりますが、逆に低価格を実現しているということです。
(下記の "WPS Office 2" サイトより引用)
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搭載していない機能として、主に企業での業務に利用するような複雑なマクロや、スライド資料での凝った3D表現などがあります。例えば、Microsoft® OfficeのExcelに相当するのが、WPS OfficeのSpreadsheetsとなりますが、関数の対応率は70%程度です。
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逆に、独自の機能としては、
「WPS Office グローバル版」「WPS Office 2」には、「オールインワンモード」があり、Writer、Spreadsheets、Presentation、PDFの4つのソフトを、一つのウィンドウで開くことができたり、バージョンによっては独自のユニバーサルデザインフォント(UDフォント)を採用していたりといった点があります。
"WPS Office" は誰が使う?
仕事で Word や Excel でデータをやり取りしたり、大学のレポートで Word で提出するルールがあるなど、そういった方々は当然 "MS Office" を使う必要があるでしょう。
ただ、私自身の事を振り返ってみても、フルタイムで働いていた時でも「持ち帰り残業」😔 をするとき以外には、Wordを自宅のPCで起動することはめったにありませんでした。(Excel はちょっとした表を作ったりするために、たまに起動することがありました)
同じような状況の方であれば、自宅のPCでは "MS Office" でなくても良いのかもしれません。
また、メインPCに "MS Office" が入っているなら、2台目はこの "WPS Office" で十分な場合も多いのではないでしょうか。
私の場合、もうフルタイムの仕事をしているわけではないので、"WPS Office" でほとんど困る場面は無さそうだなと思われました。
"WPS Office" のバージョンと入手先
★無料版 WPS Office
(Kingsoft Office Software Corporation Limited 提供版)
(日本語OKなグローバルバージョン)
⬇️ ここから無料版をダウンロードできます。
対応OSは、Windows、macOS、Linux、Android、iOS
(日本語対応しています。もし英語で表示されたら、ページ左下で日本語も選べます)
★WPS Office 2
(日本の「キングソフト株式会社」版)(2024/5/17の価格)
・Personal Edition ¥4,189
(Writer, Spreadsheets, PDF閲覧, 基本フォント)
・Stanndard Edition ¥4,541
(Writer, Spreadsheets, Presentation, PDF閲覧, 基本フォント)
その他にも、UDフォント2書体が付属したり、PDF編集ができるバージョンがありますが省略します。
1つのライセンスで、Windows1台と Mobile2台 にインストール可能ということです。
ここまでのまとめ
"WPS Office" と "Microsoft Office" との互換性について書いてきました。
少ないデータでの検証ですし、"PowerPoint" についてはチェックしていませんが、今回の検証では "Word" と "Excel" の互換性には全く問題はありませんでした。仕事等でシビアな互換性が求められる場面でなければ、私個人としては必要十分な互換性があるなという印象です。
互換性以外の、"WPS Office" の特徴である「オールインワンモード」など、使い勝手については次回という事で。⬇️