今年(2024年)1月に「MINISFORUM UM773 Lite」というミニPCを買いました。
この機種をなぜ選んだかについて、その経緯とデータを示しておくことで、今ミニPCの購入を考えている方の参考になるかもしれないと思い、記事にまとめてみました。
①からの続きです。⬇️
①の最後で、「ボリュームライセンス」ではなく、きちんとした「OEMライセンス」のWindowsをプレインストールしていると思われる、3つのメーカーを私なりに選びました。
MINISFORUM
GMKtec
CHUWI
メーカーは絞り込んだので、次はスペックです。
CPU以外の部分を確認し、そのあとCPUを選んでいきます。
CPU以外のスペックは?
CPU以外の性能としては、メモリとストレージの大きさがあります。
これについては、個々の機種によってそれぞれ変わるので、それこそ個別に見ていくと膨大になってしまいます。
そこで、私がこれまでPCを使ってきた経験と、多くの記事等から、
・メモリは 16GB以上
・ストレージは 512GB以上
・GPUはCPU内蔵で良いが、速いに越したことはない
という条件で選んでいきたいと思います。
(理由については、以下の項目で)
メモリ容量は?
メモリについては8GBで良いという記事もたまに見かけます。
(Windows11の最低動作条件は4GB)
また、大手のメーカーでも8GBのエントリーマシンを売っていたりしますが、さすがに8GBでは少ないのではないかという気がします。
(私は実際には 8GBのPCを使ってはいないので、データからの類推です)
★ここでのスクリーンショットは、購入後のミニPCの windows11でのデータです。(実装メモリは32GB)
「タスクマネージャー」を使ってメモリの使用量を見てみると、起動直後のアプリを何も開いていない状態でも、5GB程度は使用中(スクショや広告カットなど、いくつかの常駐アプリ有り)です。
拡大します
CPUに内蔵されたGPUも2GBのメモリを占有しています(「ハードウェア予約済み」のうちの2GB)。ということは、合計 7GB程度はほとんど何もしない状態でも使われていることになります。
8GBのメモリでは、もう残りは1GBもありません。
ブラウザ、エクセル、TV視聴ソフトなどを同時に開いている、私の通常のデスクトップの状態では、もはや 8.0GB使用中となってしまいます。
拡大します
これでは苦しいですね。やはり16GBは欲しいところです。
私としては、現有機でも32GBを使っていたので、できれば32GBにしたいですね。
(一部のN100のPCで12GBという機種があります。微妙ですね。8GBよりははるかに良いと思いますが)
ストレージ容量は?
ストレージは、基本的に Windows11だけを1台の M.2 SSD(Cドライブ)に入れて、データは他のSSDやHDD、クラウド等に入れるというのならば、256GBでも十分利用可能です。
(私の現有機でも、Cドライブは256GBです)
ただデータも含めて、M.2 SSD1台だけで運用するならば 512GBは欲しいところでしょう。
1TBあれば余裕がありますね。あとは値段との相談です。
CPUの性能と価格は?
ここまで書いてきた理由で、
・メモリは 16GB以上
・ストレージは 512GB以上
という条件で確定します。次にCPUを選んでいきます。
最初から細かく個別の型番で選んでいくと、あまりにも数が多くて混乱してしまいそうです。
まずは、価格帯からコスパの良さそうなCPUを選びます。
Amazonで、ミニPCによく使われているCPUと価格をチェックして、表にしました。
価格は MINISFORUM の製品を基本にしています。
(MINISFORUMの製品はミニPCの中では最も値段が高めだと思います)
CPU性能は、すべてを購入して実機で試すことができる訳ではないので、ホームページから簡単にCPU性能を検索できる「PassMark」の値を使います。
価格帯は私が調べたものです。
CPU | PassMark | PC価格 | ||
Multi | Single | |||
① | Ryzen 9 7940HS | 30489 | 3689 | 10万円台 |
② | Core i7-13620H | 26128 | 3707 | 8万円台 |
③ | Ryzen 9 6900HX | 24881 | 3439 | 9万円台 |
④ | Ryzen 7 7735HS | 24261 | 3384 | 7万円台 |
⑤ | Ryzen 5 7640HS | 23247 | 3703 | 7万円台 |
⑥ | Core i5-12450H | 17414 | 3426 | 5万円台 |
⑦ | ★Core i7-6700K | 8936 | 2508 | ★現有機 |
⑧ | Intel N100 | 5638 | 1967 | 3万円前後 |
安いPC? 高いPC?
「小さくて安いPCを買う」というのがテーマですから、価格は重要です。
しかし、いくら安くてもスペックが低すぎては残念なことになってしまいそうです。バランスが大事ですね。
上の表中 ⑧の「Intel N100」のPCは3万円前後で、価格的にはとても魅力的です。
しかし、⑦のこれまで私がメインで使っていた2016年モデルのPC(★現有機:CPUは Core i7-6700K)に比べて CPU性能が劣ります。
ここで、2つの考え方がありました。
(A)現有機のメインPCでWindows10は十分動いているので、性能は下でも安いミニPCを買って Windows11での動作チェック用にする。
(B)せっかく新しいPCを買うのだから、多少高くなっても今のPCよりは性能の高いものにして、可能ならばメインで使う。
3万円前後という圧倒的安さのメリットもあり(A)にしようかとも思い結構悩みました。
しかし、やはり今使っているものよりも性能の落ちるPCを買うというのは、全くワクワク感がありません。😔
結局(B)の選択をすることにしました。😀
(Intel N100 のミニPCは十分使えると、高い評価のレビューが多数あります)
どのCPUを選ぶ?
少なくとも、現有機以上の性能のものを選ぶと決めたので、⑧を除き ①~⑥が候補です。
表中の「PassMark」の値は「Multi」が複数のコアを使っての性能で、色々な作業を同時に行ったり、ビデオのエンコードなどで効いてきます。表はこの順に並べています。
「Single」は一つのコアの性能で、例えばアプリの起動などに効いてきます。
「Multi」を見ると、①が少し抜けていて、②~⑤はそれほど差がありません。⑥は少し落ちますね。
「Single」では、①~⑥まで大きな差はなく、一部逆転も見られます。
①は良い性能ですが、せっかく安いミニPCを買おうとしているわけですから、10万円以上は出したくないと思います。
①は除外します。
②~⑤は、実質的にCPU性能の差はほとんど無いと言っても良いですね。
そうなると、価格からして
④Ryzen 7 7735HS
⑤Ryzen 5 7640HS
のコスパが最も良さそうです。
どのGPUを選ぶ?
ここまで触れてきませんでしたが、現在のCPUはグラフィックス機能(GPU)を内蔵しています(AMDはまとめてAPUと呼んでいる)。
先ほどの表に、内蔵GPUのデータも含めてみます。
CPU | PassMark | 内蔵GPU | PC価格 | ||
Multi | Single | ||||
① | Ryzen 9 7940HS | 30489 | 3689 | Radeon 780M | 10万円台 |
② | Core i7-13620H | 26128 | 3707 | Intel Iris Xe | 8万円台 |
③ | Ryzen 9 6900HX | 24881 | 3439 | Radeon 680M | 9万円台 |
④ | Ryzen 7 7735HS | 24261 | 3384 | Radeon 680M | 7万円台 |
⑤ | Ryzen 5 7640HS | 23247 | 3703 | Radeon 760M | 7万円台 |
⑥ | Core i5-12450H | 17414 | 3426 | Intel UHD Graphics | 5万円台 |
⑦ | ★Core i7-6700K | 8936 | 2508 | ★現有機 | |
⑧ | Intel N100 | 5638 | 1967 | Intel UHD Graphics | 3万円前後 |
Intel の内蔵GPUについては、調べても良くわからない部分があり、こちらの認識違いがあるかもしれません。その場合はご容赦ください。
以下が「PassMark」 のページで調べた、それぞれのGPUの性能です。
GPU | PassMark | CPU | ||
G3D | G2D | |||
① | Radeon 780M | 7174 | 883 | Ryzen 9 7940HS |
② | Radeon 680M | 6167 | 827 | Ryzen 7 7735HS Ryzen 9 6900HX |
③ | ★GeForce GTX960 | 6055 | 675 | ★現有機グラボ |
④ | Radeon 760M | 5761 | 878 | Ryzen 5 7640HS |
⑤ | Intel Iris Xe | 2691 | 347 | Core i7-13620H |
⑥ | Intel UHD Graphics | 1478 | 264 | Intel N100, N95, Core i5-12450H |
さきほど候補に選んだ2つのCPUに内蔵されるGPUは、表中では②と④にあたります。
②Radeon 680M(Ryzen 7 7735HSに内蔵)
④Radeon 760M(Ryzen 5 7640HSに内蔵)
この2つのCPU内蔵GPUの性能には大きな違いは無さそうです。
偶然にも、現有機に外付けしているグラボの性能に近い値です。
Intel よりも AMD の Ryzen の方が内蔵GPUは強力といわれていましたが、データを見る限りその通りだと言えるようです。
(最近はIntelが巻き返しているとも聞きますが)
最初の方に書いた条件として、
・GPUはCPU内蔵で良いが、速いに越したことはない
があります。であれば、ここはやはり AMD の Ryzen を選ぶことになりますね。
今回分のまとめ
と、いうわけで、
この2つのうち、どちらかのCPUを搭載したミニPCを選ぶことに決めました。
今回はここまで。
③ に続きます。⬇️
購入後のレビュー記事はこちら⬇️
「PassMark」 のページはこちら⬇️