葉真中顕 著 「Blue(ブルー)」(光文社文庫)
最近、SFや科学関係の本ばかり読んでいたので、たまにミステリーが読んでみたくなりました。😄
「このミステリーがすごい!」などの情報は全くフォローしておらず、最近の状況はほとんどわからなかったので、Amazonの Kindle Unlimited でおすすめされる作品のうち、私が知らなかった作家さんの作品を読んでみました。
この「Blue(ブルー)」の著者である、葉真中顕(はまなか あき)氏についても、まったく存じあげませんでした。
Kindle Unlimited には数冊がピックアップされており、今回その中の1冊「Blue(ブルー)」を読んだ次第です。
結論から言うと、大変面白く読みました。
「平成」という時代の30年間を、親子関係、虐待、自然災害、不況等、非常に多くのトピックスと絡めながら、二つの殺人事件について、それを追う、それぞれに心に闇を抱える刑事と犯人の、行動と心理に迫っていくという内容です。
ミステリーなのでこれ以上細かくは書きませんが、しっかりと読みごたえもあり、伏線も矛盾なくきっちりと回収されていきます。
重めの内容なのですが、テンポよく読み進めることができます。
また、細かく章が分けられており、その章の表題が、内容を語る人物の名前となっているので、そういう点でも読みやすいと思います。
ただ、上にも書いたように、「平成」の時代に起こった多くの社会問題や自然災害等を絡めて書かれているのですが、ちょっと詰め込みすぎかなという印象です。
やや話題が散漫になる傾向があり、焦点がぼやける気がする部分があるかなと思いました。
もう少し、かかわるトピックスを絞った方がすっきりしたのかもしれません。
とはいえ、久しぶりの日本のミステリーで楽しませていただきました。
私はもう徹夜してまで一気に読んだりはできないので数日に分けて読みましたが、若いころなら一晩で読んでいたかもしれません。
著者の葉真中顕氏については、プロフィールを見ると、
・「ロスト・ケア」第16回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞
・「凍てつく太陽」第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞
・「灼熱」第7回渡辺淳一文学賞受賞
その他にも、「絶叫」「コクーン」が吉川英治文学新人賞の候補になるなど、私が知らかっただけで、なかなかの実力の作家さんのようです。
★「ロスト・ケア」は2023年、松山ケンイチと長澤まさみの共演で映画化。
(Amazon Prime Video でも観ることができるようです)
葉真中顕氏の作品は、2024年6月末現在 Amazon Kindle Unlimited で数冊読むことができます。
私は、すかさず「ロスト・ケア」「絶叫」「コクーン」の3冊を 0円で利用させてもらいました。
この後じっくりと読ませてもらうことにしましょう。楽しみです。😃