2024年11月に、HP ProDesk 400 G4 DM の整備済中古PCを買いました。
記事①で、スペックと外観、内部を主に写真で紹介しました ⬇️
この記事③では、ベンチマークテストの結果を載せ、性能を考察します。
(記事②はボタン電池の交換とHDDマウンタの取り付けという、細かい話なので必要に応じて見てください ⬇️)
購入したHP ProDesk 400 G4 DM のスペックと比較するPCのスペック
手持ちの3台のPCで比較します。簡単にCPUとGPUを紹介 ⬇️
それぞれの詳細スペックを以下に示します。
★今回購入したHP ProDesk 400 G4 DM(おそらく2018年のPC)のスペック
"PC A" とします
型番 :HP ProDesk 400 G4 DM
CPU :intel Core i5-8500T(6コア/6スレッド)
メモリ:16GB
SSD :512GB(PCIe)
OS :Windows11 Pro
GPU :Intel® UHD Graphics 630(CPU内蔵)
サイズ:177x175x34.2mm / 1.25kg
★比較するPCのスペック
私が持っているPCとの比較なので、あまり良い対照ではないかもしれませんが。
"PC B":2024年1月に購入したミニPC
型番 :MINISFORUM UM773 Lite
CPU :AMD Ryzen 7 7735HS(8コア/16スレッド、Zen3+)
メモリ:32GB(DDR5-4800)
SSD :1TB(PCIe Gen4)
OS :Windows11 Home
GPU :Radeon 680M Graphics(CPU内蔵、RDNA2)
サイズ:幅127×奥行き128×高さ47mm / 約600g
"PC C":2016年に購入した、HPのミドルタワーPC
型番 :HP ENVY 750-180jp
CPU :intel Core i7-6700K(4コア/8スレッド)
メモリ:32GB(DDR4-2133)
SSD :256GB SSD (PCI Express, M.2接続 AHCI)
OS :Windows10 Home(64bit)
GPU :NVIDIA GeForce GTX 960 (2GB/GDDR5 外付けグラボ)
サイズ:幅163×奥行き395×高さ398mm
Geekbench
Geekbench 6.2.2 CPU
まずは、定番の Geekbench でCPU性能のチェックです ⬇️
3台を比較すると ⬇️
今回購入した HP ProDesk 400 G4はおそらく2018年のPCで、CPUのintel Core i5-8500Tも2018年に発売が始まったCPUです。
当然ながら、かなり新しいRyzen7 7735HS の半分程度のスコアとなっています。
また、2016年当時 Core i9はまだ存在せず、"PC C" のCPU "intel Core i7-6700K" はデスクトップ用であり、なおかつオーバークロック可能な "K" が付いた当時最速のCPUでした。(CPUの発売は2015年)
そのため、今回購入の HP ProDesk 400 G4 は "PC C" よりやや劣るCPU性能となっています。
Geekbench 6.2.2 GPU
続いて、Geekbench でGPU性能(グラフィック性能)のチェックです ⬇️
3台を比較すると ⬇️
今回購入の HP ProDesk 400 G4はビジネス用の小型PCであり、当然グラボも積んでいません。
CPU内蔵のIntel UHD Graphics 630 はゲームなどに対応するようなものでは全くなく、Radeon 680Mを内蔵した "PC B" や、外付けのグラボを積んだ "PC C" とは、グラフィック性能には大きな差があります。
PCMark10
続いて、CPUやGPU単独ではなく実用的なPCの性能を測るため、最近の定番ともいえる "PCMark10" を使ってみました。
"PCMark10" の内訳を、開発会社である UL Solutions のサイトより引用します ⬇️
「日々の需要」が Essentilasスコア、「生産性」が Productivityスコア、「デジタルコンテンツクリエーション」はそのまま Digital Content Creationスコアになります。
"PCMark10" ベンチマークの結果はこちら ⬇️
「推奨スコア」は、UL Solutions が示している値で、
・「簡単な作業を行うための一般的なPC向け」
Essentilasスコア:4100以上
・「一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作向け」
Productivityスコア:4500以上
・「写真、動画、その他のデジタルコンテンツ編集向け」
Digital Content Creationスコア:3450以上
という値が推奨されています。
(Overallの推奨スコアは示されていません)
★グラフにしてみます ⬇️
1番目の緑色が推奨スコア、2番目の黄色が "PC A"(今回購入したHP ProDesk 400 G4 DM)です。
Digital Content Creationスコア以外は推奨スコアを上回っており、簡単な作業や一般的なオフィス作業などなら対応可能だということがわかります。
Digital Content Creationスコアは推奨スコアの 87.8% ということで、グラフィック性能は弱いです。
グラフィックボードも積まず、またCPU内蔵のグラフィック性能が上がってきたのも、ここ数年くらいの話ですから、グラフィック性能が弱いのは織り込み済みでした。
このPCでゲームをやる気はありませんが、このブログに使うスクリーンショットや写真の加工程度なら問題なく使えています。
N95, N100との比較
こちらの記事に⬇️
現在版のCeleronとでもいえる廉価版のCPU、Intel N95を搭載し16GBのメモリを積んだノートPCの、PCMark10のデータがありました。その値は、
Overall:3115, Essentilas:6914, Productivity:4672, Digital Content Creation:2540 となっています。
記事にはメモリ8GBのN100を積んだノートPCのデータもありますが、N95よりも少し低い値となっています。
HP ProDesk 400 G4 は、すべてのスコアで N95, N100搭載のノートPCを上回っています。
★"PCMark10" のサイトはこちら ⬇️
3DMark
あまり意味がありませんが、グラフィック性能の弱さを確認するために、3DMarkをやってみました。
3DMark も UL Solutions が開発している、ゲーム性能のチェックに使われるベンチマークソフトウェアで、ゲームのような動画でPCのグラフィック性能を調べるものです。
無料でチェックできる "Time Spy" と "Steel Nomad Light" をやってみました ⬇️
左側のスコアの下には "Good" と書いてくれてはいますが、カクカクしてまともに動かない状態です。
("Steel Normal Light" の上の方に "2.67FPS" と出ています。これじゃまともにゲームは動きませんね)
★3台のPCで比較してみます ⬇️
ちなみに、"Steel Normal Light" では、"PC B" で "17.45FPS"、"PC C" で "15.26FPS" です。
まとめ
今回購入した HP ProDesk 400 G4は、予想通りグラフィック性能はかなり弱いものでしたが、実用的なPCの性能を測る "PCMark10" のスコアは想像以上に良いものでした。
「Digital Content Creationスコア」だけは推奨スコアを下回りましたが、他は上回っており、ゲームや長時間のビデオ編集をするのでなければ、このPCが十分実用になる裏付けとなりました。
実際、私は上記の3台を切り替えながら使っていますが、普通にブラウザやエディタなどを使っている程度では、どのPCを使っているのかわからなくなったり間違えたりすることがあります。
ある程度差がわかるのは、重めのソフトウェアを起動したり、大きな画像ファイルを開いたり編集したりする時くらいです。
(SSDはNVMe接続です。SSDのスピードについてもまた別の記事で比較してみるつもりです)
HP ProDesk 400 G4は5年前のPCですが、体感としては全く問題なく使えています。
今回ベンチマークを採ってみてもそれが証明されたと思います。
ちょうど昨年(2024年)くらいから、Windows11に対応した intel Core 第8世代(Core ix 8000番台以降)のPCが、官公庁や企業などからの5年落ちリースバックとして出回ってきています。
格安で大手メーカーのPCが欲しいと思っている方にはかなり狙い目だと思います。(個人的な意見ですが)
このPCも 23,980円で買いました。この価格は格安でしたが、通常3万円程度で手に入るようです。
価格的に新品で N95, N100を搭載したミニPCと競合するわけですが、数万円でPCを買おうと考えたとき、新品だけど聞いたことも無いメーカーのPCを選ぶのか、中古だけどHPなどの大手メーカーのものを選ぶのか?
私は今なら中古だけど大手メーカー製のこのHP ProDesk 400 G4 のようなPCを選びます。
実際、今回はN100搭載の新品ミニPCと、この HP ProDesk 400 G4 で少し悩みましたが、結果 HP ProDesk 400 G4を選択して正解だったと思っています。
(聞いたことも無かったメーカーのミニPC ”PC B” を昨年買って(性能も価格も、今回のものとは全く違いますが)、現在は不安定さに悩んでいます)
★購入したのは、こちら⬇️