Windows用のフリーソフトウェアで、任意のキーの割り当てを変更可能な "AutoHotKey" を簡単に紹介します。
"AutoHotKey" はオープンソースで開発されており、単なるキーの割り当て変更ソフトから進化して、もはや「プログラム言語」といえるようです。
この記事では、最も簡単なキー割り当て変更の一例として、消音とボリューム変更の機能を特定のキーに割り当てるスクリプトを作成します。
(この記事では簡単なキー割り当ての変更しか扱いません。高度な使い方は他のサイトを参照してください)
- AutoHotKey のバージョン
- AutoHotKey バージョン2.0のダウンロード
- AutoHotKey バージョン1.1のダウンロード
- スクリプトファイルの作成
- スクリプトファイルの実行
- スタートアップへの登録
- 参考ページ
- まとめ
AutoHotKey のバージョン
"AutoHotKey" は、2022年末にバージョンが上がり、現在バージョン2.0となっています(2024/11/27現在の最新版は、2.0.18)。
ネットを調べると、この v2.0 に対応した記事は少なく、ほとんどが v1.1の記事です。
機能拡張を繰り返してきた v1.1に対し、大幅な機能の改善などを行って v2.0となっているようです。
この記事の例のような、簡単なスクリプト(命令文)であれば、どちらのバージョンでも動作します。
現在は、v2.0が正式バージョンであり、v1.1は非推奨(deprecated)バージョンとなっているので、今後は v2.0を使った方が良いと思います。
ただし、v1.1は現在も使用可能で今後も使用可能とのことです。⬇️
AutoHotKey バージョン2.0のダウンロード
"AutoHotKey" のダウンロードを行います。
下記のページにアクセス ⬇️
「Download」を選びます ⬇️
「Download v2.0」 を選択すると、"AutoHotKey_2.0.18_setup.exe" がダウンロードされます(バージョンナンバーは2024/11/27現在) ⬇️
"AutoHotKey_2.0.18_setup.exe" を実行すると、インストール場所を聞かれるので、そのまま、または選択して「Install」⬇️
「インストールが終わった」的なメッセージはまったく無く、"AutoHotKey Dash" というアプリが起動します ⬇️
この時点で、すでに"AutoHotKey v2.0" のインストールは終わっています。このまま、右上の "✖" で終了してかまいません。
(最初、これがわからずにちょっと戸惑いました)
(この "AutoHotKey Dash" アプリは、AHK の新しいグラフィカル ユーザー インターフェイスとのことです。新しいスクリプトの作成、スクリプトのコンパイル、ヘルプ ファイルの表示、Window Spy ツールの実行、起動の設定などができます)
AutoHotKey バージョン1.1のダウンロード
v2.0 と同様に、ダウンロードページで、「Download v1.1(deprecated)」を選びダウンロードします。
"AutoHotKey_1.1.37.02_setup.exe" がダウンロードされました ⬇️
実行すると、"AutoHotKey Setup" 画面が開くので、通常は上の "Express installation" を選びインストールします ⬇️
すぐにインストールは終わり "Setup" 画面になります ⬇️
そのまま "Exit" で終了してかまいません。
スクリプトファイルの作成
AutoHotKey は多くの機能を持っていますが、命令文を書いた「スクリプトファイル」を用意して実行しない限り、何も起こりません。
ここでは、一番簡単なキー割り当て変更の「スクリプトファイル」を作成してみます。
「スクリプトファイル」は、メモ帳などのエディタを使って作成できるテキストファイルです。
"〇〇〇.ahk" というファイル名で任意の場所(ドキュメントフォルダなりデスクトップなり、お好きな場所)に作成します。
(ファイル拡張子が ".txt" ではダメです。必ず ".ahk" にしてください)
この例では、消音とボリュームの変更のスクリプトを書いた、"VolumeChange.ahk" というファイルをデスクトップにある "AutoHotKeyフォルダ" に作成しています。⬇️
"VolumeChange.ahk" の内容は、
======(この下の行から)
; Pause/Breakキーを押すと消音
Pause::Volume_Mute
; ScroooLockキーを押すとボリュームダウン
ScrollLock::Volume_Down
; Insertキーを押すとボリュームアップ
Insert::Volume_Up
======(この上の行まで)
★キー割り当ての変更(リマップ)の文法は、
「置換元キー::置換先キーという行を記述すると、置換元キーに置換先キーを割り当てることができる」というものです。
★行頭が ; セミコロンの行は「コメント行」、また項目間の改行は見やすくするために入れているだけで、無くてもかまいません。
実行するキー配列の変更は、コメント行の通り次のようになります。
・Pause/Breakキー → 消音(消音時に押すと音量復活)
・Scroll Lockキー → ボリュームダウン
・Insertキー → ボリュームアップ
キーリストや、リマップの方法、サンプルコードなどは、記事末の「参考ページ」を参照してください。
スクリプトファイルの実行
作成した "〇〇〇.ahk" ファイルをダブルクリックして実行すれば、"AutoHotKey" も自動的に実行されて、機能が働きます。
ただし、画面上には何の変化もありません。
タスクバー右端の「インジケーター」を見ると "AutoHotKey" が起動しているのがわかります。(緑色の "H" のアイコン)⬇️
この状態で、先ほどの例であれば「Pause/Breakキー」を押すと、消音となり、もう一度押すと音量が復活します。
ボリュームダウン・アップも効くようになっています。
終了したい場合は、インジケーターの右クリックから "Exit" を選びます。(スクリプトのReload や Pause もできます)⬆️
スタートアップへの登録
Windows起動時にスクリプトを実行させたい場合は、「スタートアップフォルダ」にスクリプトファイルを登録するだけで可能です。
"Windowsキー" + "Rキー" で「ファイル名を指定して実行」を開き、"shell:startup" と入力して「スタートアップフォルダ」を開きます。⬇️
作成済みのスクリプトファイルのショートカットを「スタートアップフォルダ」に作成すれば、次回以降はWindows起動時にスクリプトが実行され、キー配列の変更が反映されるようになります⬇️
参考ページ
参考になるページを示します。⬇️
(すべて同じサイトの中のページです。その他にも多くの情報があります。ただし、v1.1)
また、レジストリの変更を伴いますが、簡単にキー配列を変更できるサイトについて、別の記事で紹介しています。
「CapsLockキー」と「左Ctrlキー」の機能の入れ替えは、こちらの方法の方が簡単に行えるのかなと思います。
レジストリを触ることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、よろしければこちらもご参照ください ⬇️
まとめ
多くの機能がある "AutoHotKey" の、ほんの一部の機能を紹介しましたが、このソフトウェアの原点はこのキー配列の変更です。
この記事の例も実質わずか3行のスクリプトですが、特殊キーを持たないキーボードに音量変更の機能を持たせることができました。
Windowsの起動と共に動作させることができるので、いったん設定してしまえば、もはや最初からあった機能のように使うことができます。
"AutoHotKey" にはもっとたくさんの多様な機能があります。興味を持った方は色々と試して自分好みの環境を作ってみてください。