サバのトランク

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読書「コクーン」 葉真中顕 著

葉真中顕 著 「コクーン光文社文庫

 

先日、この葉真中顕(はまなか あき)氏の「Blue(ブルー)」を読んで、記事にしたんですが、⬇️ 

同時に、AmazonKindle Unlimited で3冊借り、その中の1冊コクーンを読みました。

savatrunk.com

 

ミステリーと言えばミステリーなんでしょうが、事件が起こってその犯人を捜すというような内容ではありません。

カルト教団が1995年に起こした都心での機関銃乱射事件(当然、実際の地下鉄の事件を念頭に置いて書かれている)を中心とし、それにかかわった人々の現実と心情が描かれます。

章ごとにその内容を語る1人称の人物が変わっていくので、全体を把握しづらいという印象があります。1篇ごとに、少しだけ登場人物が絡んで進んでいく「連作短編」という小説手法がありますが、そんなイメージに近い展開をしていきます。(この作品は連作短編ではありませんが)

そして、それらをつないでいく金色に輝く蝶。少しだけファンタジーの香りもふりまかれています。
「もし、あそこであの選択をしなかったとしたら(又は、したとしたら)・・・」という登場人物の想像や後悔がだんだんと大きなテーマになってくるようです。

全体的には暗くて重めの内容です。大きな事件もそうですし、それ以外にもタブーに触れるような話も繰り返されます。すっきりした謎解きのミステリーを読みたい方にはお勧めできないと思います。

逆に、伏線などは非常にきっちりと張られていて、暗くて重めのストーリーでも大丈夫で、しっかりとした構成の小説を読みたい方には、十分読み応えのある内容だと思います。

上にも書きましたが、章ごとに主人公が変わっていくので、最初はわかりづらく、私はこの文章を書く前にもう一度ざっと全体に目を通し、そこでようやくすっきりとした部分もありました。

キーワードは、「if」「バタフライエフェクト」「胡蝶の夢といったところでしょうか。
「この世は夢か現(うつつ)か・・・?」
「本格」ミステリーファンからは、賛否ありそうな作品ですが、私は楽しませてもらいました。


個人的には、お勧めです。😁

 

2024年7月7日現在、葉真中顕氏の下記の小説は Kindle Unlimited で読むことができます。